看護学生のための奨学金制度を有効活用しよう
南朋です。看護専門学校に在学中、学資の支援・援助してくれるのが、「奨学金・助成金・給付金制度」です。審査の有無、貸与額、返済義務の有無、利子など、詳細をしっかり確認したうえで、奨学金・助成金・給付金制度を有効活用しましょう。
日本学生支援機構奨学金
日本学生支援機構の奨学金は、経済的理由で修学が困難な優れた学生に学資の貸与を行い、また、経済・社会情勢等を踏まえ、学生等が安心して学べるよう、「貸与」または「給付」する制度です。
社会人経験がある人は入学後、に「在学採用」という手続きを行います。
学校によって手続きの速度は様々ですが、4月~6月までに手続きが終了し、初回の振込があります。(入学月以降の好きな月から貸与を希望することができ、例えば、5月の申し込みであっても、4月に遡って貸与を受けることができます。)
保証制度が2種類あって、保証人が親族から必要な「人的保証」と、保証人不要だけれど保証料が差し引かれる「機関保証」があります。私は、保証人不要の機関保証を選択しています。
※「給付」制度が最近始まりましたが、住民税非課税世帯や、生活保護世帯、高等学校卒業見込み又は卒業後2年以内などの条件がついているので、あまり対象にはならないかもしれません…。
1年次生の場合は入学時特別増額を行うことができ、月々の貸与奨学金とは別に最大50万円の貸与を受ける事が出来ます。
注意したいのは、学業成績と貸与継続が関係しているところ。普通に単位を修得していれば問題ない(再試であっても単位修得は修得です(笑))ですが、単位を落としすぎてしまうと、奨学生として不適当となり、貸与継続ができなくなります。
継続できなくなったからといって即終了というわけではなく、学校の判断になってしまうけれど、最大1年間の休止の後、学業成績・生活態度の改善が認められた場合、復活できる場合があります。(休学も同様の扱いになるケースが多いようです)
返還は、卒業後6ヶ月経過したら。看護師でデビューして、仕事も生活も慣れた頃に返還がスタートできるのは、有難いです。
都道府県の「看護師等修学資金」
私が住む東京都は「東京都看護師等修学資金」という奨学金が、看護師向けの修学資金です。(居住地の県によって名前も制度も違っています)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/shikaku/syugaku/
東京都では、都内の看護師等養成施設に在学し、将来都内で看護業務に従事しようとしている皆さんの修学を支援する、「看護師等修学資金貸与制度(貸付制度)」を設けています。
貸与を希望される方は、制度の趣旨等を理解し、卒業後の自分の進路を考えてお申し込みください。
第1種奨学金は返還免除の制度がついており、就職先にしたい病院があったらラッキー★しかし、東京都が指定している施設は、「医療法第7条の許可を受けた病床が200床未満の病院」・「医療法第7条の許可を受けた病床数のうち精神病床数が80%以上を占める病院」・「ハンセン病療養所(国立療養所多磨全生園」など、ちょっと癖のある病院が多いので注意が必要です。
第2種は、東京都内の病院に就職予定の方でしたら貸与を受けることができます。ただし、返還必須。また、返還時期は卒業後すぐの4月からです。東京都外に就職した場合は返還のスピードが倍になります。3年間の貸与を受けたら、1年半で返還しなければならないということです。
東京都から近隣の看護師等修学資金だと
・「千葉県保健師等修学資金制度」(看護師も対象です)
こちらは、東京都のように指定施設はありませんが、千葉県内で就職すれば返還免除の特典があります。養成所の所在地ではなく、自分が千葉県民であるかどうかがポイント。
・「埼玉県看護師等育英奨学金貸与制度」
こちらは、年額で一括貸与してくれる奨学金です。埼玉県内の看護師養成所がある等などの条件があり、返済必須です。
病院の奨学金制度
看護師の奨学金の中で、最も特徴的なのが病院の奨学金制度といえます。
病院の奨学金は、病院によって額面も様々ですが、勤務年数によって返済が免除されるものが一般的になっています。それもそのはず。病院の奨学金制度の目的は、「看護師職員の確保」を目的に挙げている病院がほとんどだからです。
病院の奨学金を貰う事=その病院に就職する
という風に考えてもいいと思います。
縛られるようでいやかもしれませんが、逆に考えると先に就職先を確保しておけるという安心材料になります。
病院の奨学金は、専門学校に附属病院があれば附属病院の奨学金が紹介され、無い場合は、合同病院説明会や、インターネットや書籍で探すことになると思います。
個人的には、文化放送のナースナビが説明会に参加するだけで様々な特典があって、好きです。
奨学金は計画的に。しかし、カツカツになりすぎない。
ここまで、看護学生がかりることができる奨学金を紹介しましたが、奨学金は免除になるまでは「借金」であることは覚えていたほうがいいです。専門実践教育訓練給付金制度の受給額を優先的に考えて、不足分を貸与の奨学金で補うイメージが良いと思います。
病院の奨学金であっても、免除制度のある奨学金であっても、免除されることを最初から計画に入れてしまうと、途中で転職や進路変更がしにくくなってしまいます。在学中、勉強に集中するためにも、しっかりと計画を立てましょう。