【実習対策】看護過程って何?看護過程が必要な理由とは。
「看護過程」と何か
「看護過程」を調べてみるとwikipediaでは、こう書いてあります。
看護過程(かんごかてい、Nursing Process)とは、独自の知識体系に基づき、ヘルスケア、看護ケアを必要としている対象者に的確にこたえるために、どのような計画・介入援助が望ましいかを考え、系統的・組織的に行う活動のこと。臨床では看護記録として記載する場合が多い。
イメージしにくいですよね。
なぜ看護過程が必要か
では、ここでクイズです。
この患者さんはお腹が痛いそうなんですが、何が原因でしょうか。看護師として、どう支援をしますか?
胃炎?食べ過ぎ?打撲??
色々な可能性がありそうです!これでは判断ができません!
一人一人の患者に対して、看護師が原因や支援に対して考える一連の流れを「看護過程」と言います。
看護過程には、看護の対象である患者だけではなく、患者の家族の状態やニーズ・環境など、様々な事が関係してきます。看護師としてのやりがいの醍醐味といえるかもしれませんが、これがなかなか、慣れるまでは難しいものです。
しかし、自分の客観的な視野が広がり、不足している情報や、自分が収集した情報から導き出される事も一目でわかるので、大きく成長するチャンスといえます。
看護過程の、流れは大きく5つにわける事ができます。
1.アセスメント(見立て)
・看護の対象となる人の情報を収集する。(主観的情報・客観的情報)
<主観的情報>
例えば、患者さんの体験、家族はどう思っているのか、直接聞いた時にあった発言です。表情やしぐさなども入ります。
<客観的情報>
医師記録や検査データ、体温、バイタルなど”根拠”となる情報
・問題やその原因として考えられることを探す。
事実にそって、ありのままを記録し、自分の主観で判断しない事がポイントです。
自分の主観や”予想”が入ると事実とは違う方向に行ってしまうので、注意が必要です。
・その問題の解決に利用できそうな強みがないかどうかも探す。
2.診断(看護診断)
アセスメントの結果、看護により解決可能な問題を決定します。
・情報を整理し、内容ごとに分類し、名前をつける。
・名前がつけられたものが所謂「看護問題」と呼ばれるものです。
3.計画(看護計画・優先順位付け)
・看護問題を解決するための、具体的な計画を作成する。
・複数ある看護問題の優先順位を判断する。
優先順位は、マズローの欲求5段階説を思い浮かべると比較的楽でした。
4.実施
・計画したことを実施する。
・その結果を記録する。
5.評価
・行ったケアによって対象の状態が改善したか、計画を変更する必要がないかなどを考える。
・変更が必要な場合、もう1度アセスメントに戻ってこのプロセスを繰り返す。
・看護過程は問題解決のプロセスである。
・複雑に絡み合った問題を、論理的に解決に導くことを支援する方法である。
・そのプロセスは、アセスメント、診断、計画、実施、評価の5つの段階に分けられる。
引用文献
・Yura H、Walsh M 著 岩井郁子ほか訳(1986)
看護過程・ナーシングプロセス アセスメント・計画立案・実施・評価第2版
177,医学書院
・日本看護科学学会看護学学術用語検討委員会(1995)
看護過程で大切にしたいこと
看護過程は、患者さんを支援する手立てを考え、自分の「看護観」を育てることができます。正直楽ではありません。(マジで…)自分の嫌な部分や、足りないところ、ほかの人が羨ましくなって悔しい思いをする時もあります。
自分のアセスメントの結果を教員や指導者と共有したり、グループで共有するのは上手くいかない事もあって「本当に看護師になれるのかな…」と不安に思うこともありますが、学生のうちに、どんどん患者さんに触れて成長していけたらいいなと思っています。